コンプレックス
悲しいきっかけ
高校に入学してからも、俺はニキビに対する正しい知識を持たず、
ただクレーター跡を増やし続けるだけでした。
確か凸凹がはっきり分かるようになっていたと思いますが、その頃はまだ新しく出来た友人や新しい部活で精一杯でした。
それでも、なんとなく自分はもうモテるタイプではなくなったことを自覚はしていて、その頃のコンプレックスは今でも後を引いています。
そんなある日、なんとか崖っぷちで保っていた俺の粒ほどの容姿に対するプライドが粉々に砕かれる出来事が起きます。
昔の彼女と数年ぶりに会ったのです。
高校時代の俺は、自分の顔を鏡で見ることも面倒になり、外に出かけるときも調髪や洗顔などせず、そのまま出ていました。
中学時代にはあれこれ悩んでいたファッションもあまり気にしないようになり、彼女と再会したときも部活のジャージか何かだったかもしれません。
かなり別人のようになったと思われたのではないでしょうか。
更に中学時代よりニキビ跡の侵食が進み、たぶんケロイドのようになっていました。
彼女は俺を見た途端、一瞬顔が強張りました。
そしてそれはしばらくの後、嘲笑の表情に変わり、一言こう言いました。
「随分汚くなったのね」。
そういって、彼女は立ち去りました。
ショックでした。
そう俺は汚くなったのです。
完璧に打ちひしがれ、自信を失った俺は、容姿に関してだけでなく、なんにでもネガティブになるようになっていきます。
人と話すときも、この人はこんな汚い自分と話しているのがいやじゃないかと思ったり、声が小さくなったり、コミュニケーションをとるのが苦手になってしまいました。
悪循環はまだまだ続きます。